「侵略とは何か」ということについては、1967年~1974年に、国連の「侵略の定義特別委員会」(日本を含む35ヶ国よりなる)で審議した上でコンセンサス(意見の一致)が得られ、1974年、第29回国連総会で採択されました。
これによると、「侵略か否か」を判断するのは最終的に国連の安全保障理事会(安保理)であって、ある判断基準から自動的に結論が導き出されるわけではない、となっています。
その上で一般的定義として、
・他国の主権に対し、または
・領土保全に対し、あるいは
・政治的独立に対して、
国際連合の目的と両立しない方法によって武力の行使すること
が侵略であるとされています。
具体的には、
・他国の領土に対する侵入・攻撃
・沿岸封鎖
・陸海空軍や船隊・航空機隊に対する攻撃
・駐留軍の駐留に関する合意に反する使用や合意終了後の駐留の継続
・侵略国に侵略行為のために領土の使用を許可する行為
・不正規兵等による武力行使
などが含まれています。
日本は当初から「侵略の定義特別委員会」に参加していましたが、中国は国連総会での採択のときにも参加しませんでした。
【出典】
外交青書 わが外交の近況 上巻 1975年版(第19号)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/bluebook/1975_1/s50-contents-1.htm
の中の
第4章 国連における活動とその他の国際協力 第7節 法律問題-「侵略の定義」の採択
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/bluebook/1975_1/s50-2-4-7.htm
【筆者】